6月23日 沖縄慰霊の日に寄せて

慰霊の日は、1945年6月23日に沖縄戦の組織的戦闘が終結したことにちなんで、沖縄戦の戦没者を追悼するために沖縄県が制定している日です。

*6月23日はあくまで組織的戦闘が終わったとされる日で、その後も沖縄各地で多くの尊い命が失われました。

ゆいまーる沖縄株式会社では、社員一人ひとりが沖縄戦で亡くなられたすべての方々に祈りを捧げ、その出来事について改めて考える日とするため、6月23日は店舗を含め、会社全体で休業とさせていただいております。

沖縄戦では、20万人を超える命が失われました。中でも一般住民の犠牲が非常に多く、アメリカ軍の攻撃に加え、日本軍によるスパイ容疑による処刑や、軍の命令や誘導による集団自決といった悲劇も数多く起きました。

「ありったけの地獄を集めた」とも表現された沖縄戦から、今年で80年を迎えます。戦争を直接体験した方々が高齢化する中、戦争の記憶や体験をいかに継承していくかが大きな課題となっています。

同時に、悲惨な戦争がなぜ繰り返されるのか。戦争は誰が、何のために、どのようなプロセスで起きるのか? 現代を生きる私たちは、戦争が起きる原因と構造を学ぶ必要があります。

戦争の背景にはさまざまな要因がありますが、その一つに、私たちの暮らしにも深く関係する「経済」や「現代資本主義の構造」が挙げられます。人口増加、エネルギー問題、富の集中と格差の拡大、国際的なパワーバランスの変化など——経済成長をひたすら追い求めた結果、そのひずみが戦争という形で表れることもあります。

書籍『続・百年の愚行』では、戦争やテロ、弾圧、虐殺、差別といった「愚行」の連鎖がなぜ起きるのかという問いに対して、

  • 「速度と効率の追求」
  • 「他者への想像力の欠如」
  • 「他者、あるいは自らの記憶の破壊と忘却」
    という三つの視点が挙げられています。

戦争という愚行の連鎖を断ち切るためには、特に近代以降、金銭やモノの豊かさを追い求めてきた私たちの価値観を見直すことが必要なのではないでしょうか。

過去に戦争で命を落とした方々、苦しい体験をされた方々、そして未来を生きる人々に思いをはせ、想像力を働かせる——


そのためにも、こうした節目の日を大切に過ごしたいと思います。

沖縄戦で亡くなられたすべての方々に、心より哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。

2025年6月23日

ゆいまーる沖縄株式会社

代表取締役社長 鈴木修司