【No.731】 失われた数百年を取り戻す

ちょっと、昨日の記事の続き。。
自分自身の整理のためにも書き留める。



先週はいろいろな方とお会いして、モノづくりについてお話した。
その中で、昔のモノはイイモノがいっぱいあったという話。
それは、昔はモノづくりする人々が国から保護されていて、モノづくりに専念することができたという
側面もあったのではないかと思う。沖縄でいうと、琉球王府が管理していた時代もある。
現代はそれがなくなったという事と、
もう一つ、経済優先の社会になった事、その中で効率優先の考えが生まれて、
それに合わせてモノづくりの質が低下してしまった。
そして、沖縄の例で言うと、
「琉球」から薩摩の侵略があり、「沖縄」になってからの変化。
この話を聞いて、僕もその通りだと思った。
この時代の特長は、外からのチカラで政策的に、いろいろな事が強制的に変えられた。
皇民化教育も急速に進められ、言葉も変えられた。
教育の現場でも沖縄の言葉をしゃべると、子供達が「方言札」を首から下げられたりした。
とにかく、沖縄の文化・モノを否定され、日本の文化はすばらしいという価値観をすり込まれた時代。
沖縄のモノづくりも大きな打撃を受けて、沖縄の焼物からいわゆる瀬戸物に移行し、
沖縄で作られていたという家具なども、県外のものに一気に変わり、地元のモノづくりが衰退した。
この価値観、文化を国に政策的に変えられるという事は、非常に恐ろしい。
そして、そのまま400年余の時が流れた。
今、沖縄がもてはやされているが、
これも政策的に作られた「沖縄」ブームの流れであって、
本当の「沖縄」あるいは「琉球」が取り戻されたものではないと思う。
とにかくこれらの歴史は歴史。
どうやっても過去を変えることはできない。
そして、それは悪い事だけでないし、否定する事だけではないとも言われた。
確かにそう思う。
一例に、琉球ガラスもどちらかといえば、負の部分の歴史から新たな流れになった一面もある。



ただ、どちらかといえば、失われたものの方が大きかったと僕は思う。
とにかく、この過去の流れを踏まえた上で、これからどうするかを考え、行動しなければいけない。
沖縄のモノづくりという観点からみれば、
本質的なモノづくりへ。。
それはこの数百年の失われたモノを取り戻すための活動でもあると思う。