【No.1306】 「琉球文化の再認識」を再認識する

昨夜沖縄に戻りました。
沖縄に戻ってまずするのは、出張中の沖縄の新聞を読むこと。
ネットではチェックしているけど、紙でもう一度目を通す。
今回の注目すべき記事は、知事交代をして、
沖縄県のカジノ構想自体を見直すというものでした。
12月20日の琉球新報社説ではこんな一文がありました。
『 ・・・JTBの高橋広行社長は本紙インタビューで「ラスベガスは砂漠なので観光客はIRのために行く。しかし沖縄はこれだけの魅力があるのだから、カジノで観光客を呼び込むのではなく、潜在的な魅力を磨き上げていくのが大事だ」と述べている。正論である。カジノ導入ではなく、沖縄の魅力を十分に引き出すような観光振興を進めるべきだ。 』
本当にそう思います。
ここで僕の中でバイブル!?ともいえる柳宗悦の論文、
「琉球の富」と「琉球文化の再認識」というものがあります。



その中にこんな一文があります。
『 どんな国土にも、どんな歴史にも、どんな習俗にも、貧しさと富との両面が見える。 (中略) 今琉球にとって最も必要とするものは、琉球の価値認識である。積極的なその価値の上に立って、将来の運命を開拓することこそ最も妥当な方針といえよう。 』
『 沖縄は他府県に追従することによって道を打開すべきではなく、他府県の追従を許さぬ自身の力量の上に未来を開拓せねばならない。 』
『 沖縄の振興は沖縄の独自性の上に立つべきであって、追従性の上にたつべきではない。追従の道は永遠に沖縄を二次的な存在に陥れるであろう。 』

そして、やはり大きいものはここに書かれている「精神的自信」ではないでしょうか。



この2つの論文は、1939年、1941年にそれぞれ書かれていますが、
この柳のメッセージは沖縄が大きな転換期を迎えている今こそ再認識すべき内容だと思います。