【No.1391】 地域のモノづくりが生み出す繋がり
先日、琉球藍の収穫と藍の製造を見学&お手伝いさせていただきました。
琉球藍は沖縄島北部の伊豆見が大きな産地になっています。
ここで製造された琉球藍が、南風原の琉球絣、首里の紅型工房、喜如嘉の芭蕉布工房、
そして、遠くは宮古島まで出荷されています。
藍畑で藍の収穫です。
現在は6つ農家さんがあって、主にシークヮーサーなどの柑橘類と一緒に琉球藍を生産しています。
琉球藍は、雨の日が収穫のタイミング。
この日は曇りでしたが、作業の途中でザーっと雨が、、まさに恵みの雨!
雨に打たれて作業をしながら雨を喜んだのは、多分初めての経験かもしれません。
この日は6人で約2時間かけて、およそ500kgの琉球藍を収穫しました。
収穫した琉球藍は、近くにある藍の製造場へ。
ここで藍を水槽に4日間つけ込んで発酵させ、消石灰をまぜて攪拌、
約10時間後、上澄み液を捨てて、水槽の下に沈殿したものが泥藍(藍玉)となり、
それを袋に詰めて出荷されます。
水槽につけ込まれた琉球藍
4日後に液体だけを別の水槽に移します。
そこに消石灰を入れてスクリューで攪拌すると、みるみるうちにきれいな藍色になります。
この液体に沈殿したものが泥藍(藍玉)です。
今回僕が感じたのは、「繋がり」です。
ひとつは沖縄の宝物である染織との繋がり。
ここから出荷された藍は、藍染めはもちろん、紅型、琉球絣、芭蕉布、宮古上布など、
沖縄の様々な染織物に使われていきます。
まさに様々な沖縄の染織を支えている産地といっても過言ではないと思います。
染織というと、どうしても布の作り手がフューチャーされますが、
琉球藍のように、原材料を植物から生産している方々の存在の重要性を改めて感じました。
そして、その地域や人々の繋がりです。
この日も製造だけでなく、収穫も一緒に手伝った方の中に農家の方もいらっしゃいましたが、
急遽刈り取りしようという事になって、自分の畑だけではなく、他の農家の方の畑もみんな一緒
になって収穫を行いました。
そして、ちょうどこの日の製造所には、製造に合わせて伊野波さんの兄弟、
家族も訪れていました。
僕はこの地域の小さなコミュニティーがとても大事だと思っています。
ひとつの地域のモノづくりが人々を繋ぎ、
他のモノづくりへと波及していく。
そこから生まれる紅型、芭蕉布、琉球絣などの染織は、まさに沖縄の宝物であると同時に、
このコミュニティー、繋がりも地域の宝物なのです。
地域のモノづくりをただ残すというよりも、継承、発展させていくという事は、
「物」だけではなく、そこから派生する繋がり、コミュニティーを継承、発展させていく
という事なのです。
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