【No.1498】南風原花織の伝産指定

先日、南風原花織が国の伝統的工芸品の指定を受ける見込み、という記事が出ました。
この数年間、申請に向けた動きをしていたという事は聞いていたので、
本当に良かったです!



今、ちょうど他のジャンルで伝産指定に向けた取組みに関わっているのですが、
必ずしも指定を受ける事が産地にとってプラスになるとは限らないなと感じています。
その一番の理由は、「変化ができなくなる」という事です。
伝産指定されると、原材料や製法が指定されてしまうので、
それ以外の要素が入ってくると、「●●織」とか「●●焼」といえなくなってしまうのです。
本来、変化してきたからこそ現在まで残ってきた工芸品。
そもそも伝産指定の制度は、「文化財」としてではなく、「産業化」する事が目的ですから、
変化し続けるのはなおさらです。
ただ、今の時代、各産地の伝統的な技術、技法を継承していく事も必要です。
その時に、こういった制度の活用も大事だと思います。
守る事と、変化すること。
僕が関わっている動きも、業界内でここをしっかり議論していきたいと思います。