【No.490】 沖縄の民意

お元氣様です!
去った6月10日は、沖縄県議会選挙の投票日でした。




結果は野党が過半数を維持。
政府の思惑が外れた形になった。
これで、辺野古への新基地建設は一層厳しくなったといえる。
この沖縄の民意を、今度こそ、今度こそしっかり政府は受け止めるべきである。
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沖縄タイムス 社説  2012年6月12日
[県議選]政治不信が噴き出した
仲井真弘多知事を支える自民、公明県民会議、無所属の県政与党は、県議会の過半数を制することができなかった。立候補者の数を絞ったことが裏目にでた形だ。
 任期満了に伴う県議会議員選挙は、野党・中立系が2008年の前回選挙に引き続き、過半数を獲得した。改選前の議席は与党21対野党・中立系26(定数48、欠員1)。今回の選挙で与党は21議席にとどまり、野党・中立系の27議席に及ばなかった。
 野党・中立系が勝利したことは、仲井真知事の今後の県政運営に極めて大きな影響を与えることになるだろう。
 今度の県議選によって米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる官邸や防衛省・外務省のシナリオは、もろくも崩れ去った。
 宜野湾市長選に勝利し、その勢いで県議選の過半数を制することによって、仲井真知事が翻意する環境を整える―それが政府の目論見だった。だが、政府の読みは、沖縄の民意を無視した我田引水の議論と言わざるを得ない。
 そもそも、選挙期間中、辺野古への移設を「保留」とした1人を除いて、立候補者全員が与野党の別なく現行案に反対した。仮に与党が過半数を獲得したとしても、「辺野古ノー」の選挙公約は揺るがなかったはずだ。
 日米両政府は、この事実を重く受け止め、直近の民意に謙虚に向き合わなければならない。
 この期に及んで、民意を無視して「辺野古が唯一の解決策」などと言い張るのは、民主主義を冒涜(ぼうとく)するものだ。
 投票率は、過去最低だった前回の57・82%をさらに大きく下回り、52・49%にとどまった。
 那覇市の投票率は48・12%で、50%にも達していない。
この数字は深刻だ。
 普天間問題に対する有権者の関心は高かったが、争点にはならなかった。待機児童対策など切実な暮らしの課題についても、多くの候補者が公約に掲げたため、争点がぼやけ、違いのわかりにくい選挙になってしまった。
 「誰が勝っても変わらない」「政治家が考えるのは自分のことばかりで、どの政党もあてにならない」「候補者がどういう人かわからない」―選挙期間中、そんな冷めた声を何回も聞いた。
 選挙公約を守らない民主党政権に対する反発と、政党政治に対する不信が、投票率低下につながったのは間違いない。
 その意味で、今回の選挙の真の敗者は、政党政治そのものだともいえる。
 投票率の低下について、県議会の中に、外部委員を含めた検討機関を設け、早急に対策を講じるべきである。その試みは、議会改革にもつながっていくはずだ。
 仲井真知事はこの4年間、少数与党の悲哀を何度も味わってきた。重荷を背負った県政運営、議会運営がさらに4年、続く。
 野党の協力なしに政策を実現することはできない。そのことを前提にした、県執行部と県議会の新たな関係を模索する必要がある。

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