【No.650】 うちくい

昨日、我が家にうちくいがやって来ました。
うちくいは沖縄の言葉で風呂敷の事で、打ち掛け衣が語源とされています。




型絵染の人間国宝芹澤圭介は、1928年に行われた東京の展覧会で、
琉球の風呂敷に出会い紅型を追い求めることになったそうです。
型染めとは違う、このフリーハンドで描かれたライン。
本当に見事です。




今回このうちくいを染めてくれた宮城守男さん(右)。



守男さんの初期の作品の前で記念撮影

守男さんもまたうちくいが好きで紅型の世界に入った方です。
この筒描きをするときは神経を集中させるので、基本的に作業は誰にも邪魔されない夜に行います。
工房の電話の受話器も上げるそうで、奥さんも工房とは別の部屋に移動するほど。。
そのくらいこの線に描いたヒトそのものが出てくると守男さんは言います。




僕は紅型の繊細さにこの線の大胆さが見事に融合したこの筒描きの風呂敷が大好なのです。
そして、今回染めていただいた宮城守男さんの人柄や紅型に対する、モノづくりに対する思いに共鳴しました。
ちなみに、このうちくいの1つは会社にも展示しますので、
来社される機会があったらぜひご覧下さいね!