【No.711】 琉球ガラスの価値を高める

昨日は、琉球ガラスに関する裁判の判決が那覇地裁でありました。
これは、ベトナム製のガラス製品に対して使われている琉球ガラス等の名称使用差し止めと、
損害賠償を求めていたものです。
判決は、琉球ガラスの産地表示性を認め、産地を表示せずに沖縄以外で製造されたガラス
製品を琉球ガラスとして販売してはならないことし、損害賠償請求は棄却されました。
裁判所での判決後、県庁で記者発表を行いました。




私達の会社も原告として、この裁判に関わってきましたが、
今回の裁判は、損害賠償というよりも、「琉球ガラスは沖縄の地で作られたガラス製品である」という事をまず明確にするのが大きな目的でした。
今回の裁判では、「琉球ガラスの産地性」は認められ、この部分に関しては私達の大きな目標の1つは達成することができました。
ただしこの判決では、どこで作っても産地を明示すれば、「琉球ガラス」として販売できるという
大きな矛盾を抱えたままとなってしまいます。
ということは、今回の被告のようにベトナムで作ってもベトナム製と表示すれば「琉球ガラス」。
変な話、北海道で作っても、東京で作っても「琉球ガラス」と言っても良いという事でしょうか?
こんな定義では、「琉球ガラス」という名称の価値が無くなってくる恐れが十分にあります。
少なくとも、琉球ガラスは沖縄県の伝統工芸品に指定されているのです。
約100年間、琉球ガラスを築き上げてきた先人達がいます。




どこで作っても、産地表示さえすれば「琉球ガラス」。
このままでは、私達の世代で琉球ガラスの歴史に大きな汚点を残すと思います。
先人達に本当に申し訳ない。
そして、今も沖縄の地で、誇りを持ってガラスを吹いている職人さん達がいるのです。
さらに、未来の後継者達にこの「琉球ガラス」を正しいカタチで継承しなければならないのです。
そのためには、琉球ガラスの関係者、行政を含めて、
最低限、「沖縄で作られたガラス製品が琉球ガラスである」という明確な定義付けがまず必要。
そして、何よりも私達琉球ガラスの関係者が、今後も琉球ガラスの価値を高めるための活動を
継続していかなければなりません。
職人さんも、地域に住む人達も誇が持てるモノづくり。
そのための活動はこれからも続きます。
琉球ガラスのブランド構築は簡単ではない。
しかし、今動かないと、この琉球ガラスのブランドは100年後はどうなっているか分かりません。
これからどんな困難が起きても、僕はそのために全力で取り組みます。
↓昨日のニュース動画です↓
【琉球ガラス訴訟・判決 ベトナム製造は地名表示を】

琉球ガラス訴訟・判決 ベトナム製造は地名表示を