【No.1553 】祝・現代の名工/松田英吉さん

去る2月22日、琉球ガラス匠工房の代表・松田英吉さんの「現代の名工(厚生労働大臣表彰)」受賞記念祝賀会が開催されました。

国内技能者の最高峰とされるこの栄誉ある節目に立ち会い、松田さんが語った言葉、そしてこれまでの歩みを振り返ります。

「現代の名工」という称号

「現代の名工(正式名称:卓越した技能者の表彰)」とは、国内最高水準の技能を持ち、その道で誰もが認める第一人者に贈られる称号です。単に技術が優れているだけでなく、後進の育成に尽力し、次世代へ技を継承する役割を担う、まさに「手仕事の世界の至宝」に与えられるものです。

19歳から始まった、琉球ガラスへの情熱

松田さんが琉球ガラスの道に足を踏み入れたのは、19歳の時でした 。沖縄県内の工房で修行を積み、2000年にご自身の工房を設立します 。

沖縄のガラス製造には約100年の歴史がありますが、戦後の混乱期には米軍基地から出たコーラやビールの空き瓶を再利用し、生活雑器や米軍関係者のお土産等を作ることから復興を遂げたという逞しい背景があります 。松田さんはその歴史を重んじつつ、現代のライフスタイルに合う新たな価値を創造してきました。

祝賀会で語られた「職人の役割」

祝賀会の挨拶で、松田さんはこれまでの歩みと未来への決意を語られました。

僕が印象に残ったフレーズが、

「琉球ガラスは戦後沖縄という厳しい時代の中で、『あるものを活かす、無駄にしない』という精神から生まれました。その背後にある思いや土地の記憶、人間のあたたかな温もりまで合わせて伝えていくことが、今を生きる職人である私たちの役割と感じています。」

という部分です。

この言葉通り、松田さんの作るガラスには、沖縄での暮らしの中で見た風景や体験といった島の風土、そして歴史への深い敬意が宿っています。

まさにこれこそ、沖縄でしか生み出せない「琉球ガラス」の核心ではないかと思います。

松田さんとはガラスの組合を設立した際に同じ発起人として活動させていただきました。

「そもそも琉球ガラスとは何か?」という本質的な問いから、「50年後・100年後の業界をどうしていきたいのか?」という未来の話まで、夜遅くまで何度も議論を重ね、松田さんからは本当に多くのことを学ばせていただきました。

さらなるスタートラインへ

挨拶の最後に、松田さんはこう締めくくりました。

「この受賞を一区切りではなく、さらなる新たなスタートと捉え、これからも次の世代へ技だけでなく、ものづくりに向き合う誠意や誇りも伝えていきたい。」

琉球ガラスが、これからも沖縄の文化として生き続けるよう。 「現代の名工」松田英吉さんの挑戦は、これからも続いていきます。

松田さん 本当におめでとうございます!