【No.1522】作り手が弱く、売り手が圧倒的に強いというパワーバランス

11月1日と2日、徳山大学 大田先生の企画で、
全国のテキスタイル産地で活動する人達が集まったミーティングに参加させてもらいました。
その中で、僕も沖縄染織の現状と、これからゆいまーる沖縄として取組んでいく事をお話しさせてもらいました。



沖縄のような手工芸の産地、そして機械生産の産地。
生産形態は様々な違いはあれど、生地の出荷単価を上げなければ、今後産地として成り立っていかないのは共通していますね。
沖縄の染織物の出荷価格があまりにも安いのと同じく、機械生産のテキスタイル産地もここまで安いのかと驚きました。とある機械生産の産地では、出荷価格が300円/m、店頭価格が3,000円〜4,000円/mという事でした。ちなみに、市場価格の約10%程度しか生産者に残らないというのは、原料供給型のスタイルに似ています。
この構造は呉服業界にもほぼあてはまりますね。生み出された付加価値の10%前後しか残らないのでは、産地が疲弊して当然です。
そして、この状況を生み出しているのが、作り手が弱く、売り手が圧倒的に強いというパワーバランスです。



この状況を変えるには、全体構造・ビジネスモデルの再編集をして、役割の変更と利益の再配分を行う事だと思います。
今までよりどんなに良いモノを作っても、モノと情報の流通といった全体像が変わらない限り、作り手、産地は良くならない。その事が改めてよく分かりました。
これからは、例えば流通がメーカー(作り手)機能を持つ、メーカー(作り手)が販売機能を持つといったように、1カ所が複数の役割を担っていくこと。
そして、これまで業界に関わりがなかった人や組織が繋がっていくこと。
そうする事によって、付加価値が上がり、さらに生み出された利益が適正に配分されていきます。
ゆいまーる沖縄としては、沖縄の染織ジャンルでこの考えを少しずつ実践していきます。そして、今回出会った全国のみなさんとも交流をしながら、検証していきたいと考えています。