【No.1533】沖縄染織業界は変化できるのか? ①いよいよ研修スタートしました!

沖縄染織業界は変化できるのか?
いよいよ作り手のみなさんに向けた研修がスタートしました!



これから約半年間、織物のデザイン、絣のくくり技術、マーケティング、工房経営に関して 全23回 約90時間のハードな研修がスタートします!
今回は琉球絣事業協同組合さんが主体となり、組合が織物のデザイン、絣のくくり技術を、ゆいまーる沖縄がマーケティング、工房経営をそれぞれプログラムづくりから運営までを担当。僕がプログラムマネージャーとしてこの事業全体をマネジメントさせていただきます。
研修初日のテーマは「分業制の技術と成り立ちについて」。大城廣四郎織物工房 大城一夫さんの講話からスタート。



そして、講話の後は「分業制」をテーマに、分業制のメリット・デメリット、課題、これから分業制をどうしていきたいのか・・といった内容でグループディスカッション。
この数年間色々な産地をまわり、作り手のみなさんとお話して感じたのが、工芸のモノづくりが大変な事は分かっている。でも、なぜ大変なのか? その根本的な原因は一体何なのか? は分かっていない事が多い。
根本的な原因が分からないと、どうアクションを起こせば良いか分かりません。さらに1番やっかいなのが、うわべだけの対策がとられ、時間とお金をかけたにも関わらず、何も変化しないパターンです。
という事で、まずは「大変な原因」をみんなで意見交換しながら考えます。



そしてここからが重要!
原因が見えてきたところで、自分達はどうすべきか? どうしたいのか? これを「自分ごと」としてどうするのかを考えます。
最後はまとめたものを作り手みなさん自身で発表します。
さすがこの過酷な研修にエントリーされただけあって、みなさん発表もすばらしいです!!




理事長や講師の大城一夫先生のアドバイスもあって、作り手みなさんでここまで意見をまとめる事ができました。




僕自身、大城一夫先生のお話はもちろん、グループディスカッションで出た意見から学ばされる事が本当に多い初日の研修でした。そして、何よりも作り手みなさんの変わっていきたい!という強い思いが伝わってきました。
このブログでは何度も書いていますが、沖縄の染織業界は、世代交代真っ最中!特に技術の習得に時間が掛かり、さらに着物市場の流通構造など問題の根が深い染織は、今変化のアクションを起こさないと、今後産地として成り立たなくなる可能性が非常に高いのです。
それでもなかなか変化できなかった業界。今回この事業を実施した組合、そして研修にエントリーしていただいた職人の皆さんは、本当に大きな決断をされたと思います。
その決断に応えるべく、そして世界に誇る沖縄染織が良い方向に向かっていくきっかけになるよう、ゆいまーる沖縄としても大きな決意をもってこのプロジェクトに挑みます!