【No.1534】 文化と経済の議論を! 

今週は織物生産者みなさんの研修、商品開発事業の個別ミーティング、そして染織、和装・琉装等の関係者の集まりがありました。



その中で、沖縄の染織業界では後継者育成事業について、「募集をしてもなかなか人が集まらない」、「研修終了後の受け皿がない」、「技術を身につけても食べていけないので続かない」といったお話しがありました。
毎回、「どう大変なのか?」という話は出るのですが、その大変な根本にある原因にまで行き着かないケースがほとんどです。
後継者不足の原因は、「作り手がモノづくりだけでは食べていけない状況である」という事です。そうなると、この食べていけない状況がなぜ起きているのかをさらに掘り下げていく必要があります。
工芸業界の人達が集まると、文化の話が80%から90%くらいを占めます。そして、最後には「行政の支援がもっと必要だ」となります。
そろそろ工芸業界も自立を前提とした本質的な議論をしていかないと、後継者問題、作り手の収入問題が手遅れになってしまいます。その時に文化と同じくらい経済の議論が必要です。
作り手、産地の自立を前提とした議論をしっかり行った上で、必要であれば行政の支援をお願いするという流れに変えていかなければなりません。



これからは文化の時代。文化の宝庫である沖縄は、この文化の上に未来を開拓していくべきだと思います。
そのためにも、文化を活かすため、文化を育むため、そして新たな文化を創造するための経済の議論と行動が必要だと考えます。