【No.1541】こんな伝統は残してはいけない!?

最近、織物職人さんの人材育成のお仕事をさせていただいている事もあり、あらためて沖縄の染織業界のために何かできないかを考えている。



染織の近代史をみると、流通の仕組み、作り手と売り手の力関係など、明治の頃の構造が今もまだまだ残っていると思う。



呉服業界を知れば知るほど、「えっ!何これ!?何時代の話!??」という事がよくある。
作り手の収入も低いままなのも当然だ。



だから「手作りは素晴らしい」、「この伝統を残していていこう」と、単に手作りや伝統を賞賛し、美化する事は、ある意味危険だと思っている。さらに「伝統を残すため補助金を出そう」では根本的な解決策にならない事は産地の現状を見ればよく分かる。
作り手の人達が苦しいままの「悪しき構造」という伝統は残してはいけない。
作る人と売る人、文化と経済、これらのバランスを考えた新たな仕組みづくりを行い、「守る」のではなく「進化」させる事が必要だ。